医師インタビュー

皮膚科 見分けが難しい身近な皮膚疾患 DOCTOR’S INTERVIEW 皮膚科 見分けが難しい身近な皮膚疾患 DOCTOR’S INTERVIEW

DOCTOR
PROFILE
皮膚科 北野 十喜一 TOKIKAZU KITANO
出身大学 |
  • 愛知医科大学医学部 卒業

「たこ」と「うおの目」の見分け方を教えてください。

「たこ」と「うおの目」はどちらも表皮(目に見える皮膚部分:一番外側)が硬くなること(角化)が原因で発症します。

「たこ」の特徴

角化が外側に向かい平坦に重なって進行していき、硬く丘のように盛り上がっている見た目が特徴です。

「うおの目」の特徴

皮膚の内側に楔(くさび)状に角化が進行するといわれており、これが痛みを伴う原因とされています。
文字通り魚の目に似た芯のような部分を中心に角化します。

治療は直接同部位を削ったり貼付薬で脱落させるのが一般的です。

「ほくろ」と「黒色腫(こくしょくしゅ)」の見分け方を教えてください。

「ほくろ」は皮膚の様々な器官(脂肪、神経など)に発達する過程において、
なりそこねた細胞が母斑細胞(しみ)として残存したものといわれています。
これに対して、「黒色腫」は皮膚の色(メラニン)をつける色素細胞が癌化したもので「メラノーマ」とも呼ばれています。わかりやすく言えば、「ほくろ」と「黒色腫」は生まれも育ちも違うのです。

皮膚科の教科書では「メラノーマのABCDE」といわれるものがあります。

  • A;asymmetry:
    左右対称性でないこと、形がいびつなこと、円形や四角形など決まった形にならないこと
  • B;borderline irregularity:
    境界が不鮮明で、辺縁が定まらない、全体の輪郭を追うことが出来ないこと
  • C;color variation:
    色調が多彩で色むらがあること
  • D;diameter enlargement:
    拡大傾向があり直径が6mm以上をこえる、短期間での拡大すること
  • E;evolution:
    性状の変化、表面がでこぼこしている、出血しやすいこと

これらはあくまでも目安にすぎませんが、この中のどれかがあてはまるようであれば、
まず皮膚科を受診してください。