医師インタビュー

眼科 白内障と緑内障 症状と治療 DOCTOR’S INTERVIEW 眼科 白内障と緑内障 症状と治療 DOCTOR’S INTERVIEW

DOCTOR
PROFILE
眼科 部長代行 伊藤 祐也 YUUYA ITO
出身大学 |
  • 名古屋市立大学医学部 卒業
資格など |
  • 日本眼科学会 眼科専門医
  • 臨床研修指導医

白内障とはどんな病気ですか?

白内障とは、目の中でカメラのレンズの役割をしている水晶体という部位が濁ってしまう状態のことです。水晶体が濁ると、視界がぼやける・かすむ・二重に見える・まぶしさを感じるといった症状が起こり、徐々に視力が低下していきます。白内障はいろいろな原因で起こりますが、最も多いのは加齢によるものです。個人差がありますが、誰でも歳をとるにつれ、水晶体は濁っていきます。

白内障の治療法について教えてください。

白内障の治療は、日常生活に支障がない程度であれば、点眼薬を使って白内障の進行を遅らせます。
点眼は水晶体が濁るスピードを遅くするもので、症状を改善させたり、視力を回復させたりすることはできません。
白内障が進行して、日常生活に不自由を感じるようであれば手術を行います。
手術では、濁った水晶体を超音波で砕いて取り除き、その代わりに眼内レンズという人工のレンズを入れるという方法を行います。

緑内障とはどんな病気ですか?

緑内障とは、目から入ってきた情報を脳に伝達する視神経に障害が起こり、視野が少しずつ狭くなる病気です。多くの緑内障は、その進行が非常にゆっくりであるため、病気がかなり進行するまで自覚症状はほとんどありません。すでに障害されてしまった視神経を回復する方法は確立されていませんので、早期に緑内障を発見し、適切な治療を開始し、継続することで緑内障の進行を抑えます。

緑内障を早期に発見するコツを教えてください。

2000年から2001年間にここ多治見市で、市民を対象に緑内障の大規模な疫学調査が行われタジミ・スタディとして国際的にも注目を集めました。その結果、40歳以上の人口のうちの5%、20人に一人が緑内障であることがわかりました。
ところが、その内の80%の方は、自身では緑内障に気が付いていないこともわかりました。このようにほとんどの緑内障は自覚症状に乏しいため、早期発見するためには、年に1回、眼科の健診を受けることが大切です。

緑内障の進行を食い止めるためにはどのような治療がありますか?

緑内障による視野障害は、その人の耐えられる眼圧よりも高い眼圧が続くことによって引き起こされます。
眼圧を下げることで視野障害の進行を遅らせることができるため、眼圧を下げる効果のある点眼薬をすることによって、病気の進行をくい止めます。
点眼薬で眼圧の下降が不十分な場合は、眼圧を下げるための手術を行うこともあります。